④【外向的なHSS型HSP】【HSS型HSE】社交的で刺激探求

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生きづらさを感じている時、
「自分はHSPなんだ」と理由がわかることで安心できる人はとても多いです。
また、パートナーやお子さんがつらい思いをしている時、「HSPさんだから」とわかることで、相手への理解が生まれます。

今回は、HSPさんについてさらに深い理解ができるよう、HSPさんの4つタイプのうちの1つ、【外向的なHSS型HSP】について詳しく解説していきます。
人間関係や毎日の暮らしを心地よく、安心して過ごせるようにお役立てください。

HSPさんには4つのタイプがある

HSPさんは大きく分けて4タイプあることがわかっています。

HSP4type

①内向的なHSP(内省的で、刺激探求を好まない)
②外向的なHSP(社交的だが、刺激探求を好まず、HSEとも呼ばれる)
③内向的なHSS型HSP(内省的だが、刺激探求を好む)
④外向的なHSS型HSP(社交的で、刺激探求を好み、HSS型HSEとも呼ばれる)

まず、前提として、HSPさんとは何か?ということがあります。


『HSPとは?』にも書かせていただきましたが、科学的なHSPの特徴をあげると、『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』(エレイン・N・アーロン著 青春出版)によれば、以下の4つの特徴全てがそろっていることです。

4つの特徴D.O.E.S.
・“D” 深く受け止めるーDepth of Processing―
・“O” 過剰に刺激を受けやすい―Being Easily Overstimulated―
・“E” 感情反応が強く、共感力が高い―Emotional Reactivity and Empathy―
・“S” ささいな刺激を察知する―Sensitivity to Subtleties―

以上の4つに、2012年より “差次感受性(differential susceptibility)”をアーロン博士は新たに加えています。

“差次感受性(differential susceptibility)”とは
感受性の高い人は、そうでない人に比べて、悪い環境からは、悪い影響をより強く受けるが、逆によい環境からは、よい影響をより強く受ける、ということ。

出典:エレイン・N・アーロン著『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』P.406(青春出版)

先ほどの5つの特徴を持っていることがHSPさんのベースですが、さらに、以下の2つのフィルターを重ねることで4つに分類できます。

フィルター1:刺激探求型か、非刺激探求型か ※1
フィルター2:外向的か、内向的か ※2

非刺激探求型で、外向的な場合は【外向的なHSPさん】となります。

※1 心理学者のマービン・ズッカーマンのHSS(High Sensation Seekers)という概念で、エレイン・N・アーロン著『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』(青春出版)にもHSSについて書かれています。

※2 エレイン・アーロン博士は内向的であるということと感受性の敏感さは別の事であると “The Power of (Shyness)” and High Sensitivity で述べています。(Psychology Today  2012)

【HSS】とは?

HSSとはなんでしょうか?
HSSとはHigh-Sensation Seekersの略語で、刺激探求、刺激追求を好む人のことをいいます。
たとえば、刺激や変化をエネルギー源にするため、新しいこと、やってみたいことに対しリスクを恐れずどんどんトライする人たちのことを言います。
これは生まれつきの性質で遺伝によるものだそうです。

以下はアーロン博士の著書の抜粋です。

「このもう一つの気質の第一人者であるマービン・ズッカーマンは、それを刺激探求(High Sensation Seeking)と呼びました。ズッカーマンによると、ひといちばい刺激を探求する人たち(HSS:High-sensation seekers)は、変化に富んだ、新しく複雑で、「強い」刺激と経験を探し求めていて、そのためには、身体的、社会的、法的、経済的なリスクを選ぼうとするのです。遺伝子の研究から、この気質は遺伝的に決まることが分かりました。背の高さが、遺伝子で決まるのと同じくらいです。HSSに育つ赤ちゃんは活発に動き回ることからも、遺伝子による身体的な違いは、生まれて数日で見られるようになります。」

出典:エレイン・N・アーロン著『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』 青春出版 P.61

【外向的で刺激探求を好むHSPさん(HSS型HSE)】

HSPさんの中でも外向的、社交的で人の中に入ることが好きな一面があり、さらに刺激探求を好見ます。

HSEとも言われ、Highly Sensitive Extrovert(ハイリー・センシティブ・エクストロバート)」の略称です。
「エクストロバート」は「外向的な人」という意味です。

HSP概念の提唱者であるエレイン・N・アーロン博士によると、HSPの30%はHSEだそうです。

「実際、HSP の 30% は外向的ですが、この特性(HSP)はしばしば内向的と誤解されています。
(原文)
In fact, 30% of HSPs are extroverts, although the trait is often mislabeled as introversion.」

出典:ウェブサイト『The Highly Sensitive Person』

さらに、HSEさんの大部分にHSSさんの要素が当てはまるため、HSEさんのほとんどがHSS型HSEさんになるそうです。

外向的になるのは社会的要因によることが多いようです。

・大家族で育った
・所属しているコミュニティの環境
・人と接しなければならない環境で育った

などです。

人が常にいることが当たり前の環境だったため、人と話すことを恐れませんし、上手に人付き合いができます。
人が集まる場所も好きな方です。
一人で長く過ごすと不安になります。

それに加え以下のようなHSSの要素も持ち合わせています。
・新しいことを始めるのが好き
・アートや文化で刺激を受けるのが好き
・旅行が好き
・刺激を受けることでやりがいにつながる

とはいえ、とても敏感なHSPさんには変わりありませんので、たくさんの人に会った後、新しいことをやりすぎる、刺激的なイベントに長時間参加したりすると、後でどっと疲れてしまいます。
「後で」というのがポイントで、「まさにその最中」は楽しくて仕方がないのですが、帰宅したとたんに疲労におそわれます。

また、内向的なHSPさんに比べ人の輪に入っていく機会が多いため、人間関係で悩むことも増えてしまいます。

「外向的」ってどういうこと?

外向的とはどういったことを言うのでしょうか?

「興味や関心が外部の物事に向かうさま」

(出典:デジダル大辞泉 小学館)

一般的なイメージをいうならば、外に出かけ、人と話し、活発に行動し、外に向かってエネルギーを注ぐ傾向の多い人のことさしています。
また、悩み事は人に話したいと考えます。
一人で長く過ごすことが苦手です。

「外向性と内向性(がいこうせいとないこうせい)は、性格の理論(人格心理学)における主要な特性の軸である。外向性 (extraversion) と内向性 (introversion) という用語は心理学者のカール・グスタフ・ユングによって大衆化され、それらに対するより世間一般的な理解と心理学的な用法は、彼独自の意図によって異なってくる。外向性は、社交的、話好きであり、活発な振る舞いをする傾向がある一方、内向性は、孤独な振る舞いをし、外向性と比較してもっと控えめな傾向がある。」

(出典:ウィキペディア)

そして、「内向的、外向的」というのは生まれつきのものではなく、成長する過程で身につけていくものです。
以下は、内向性についてアーロン博士が説明したもので、「恥ずかしがり屋は先天的なものではなく、学習されたものです。」とあります。

「この特性(内向性)は新しい発見ではありませんが、誤解されています。 HSP は、新しい状況に入る前に観察することを好むため、「恥ずかしがり屋」と呼ばれることがよくあります。しかし、恥ずかしがり屋は先天的なものではなく、学習されたものです。実際、HSP の 30% は外向的ですが、この特性(HSP)はしばしば内向的と誤解されています。
(原文)
This trait is not a new discovery, but it has been misunderstood. Because HSPs prefer to look before entering new situations, they are often called “shy.” But shyness is learned, not innate. In fact, 30% of HSPs are extroverts, although the trait is often mislabeled as introversion. 」

出典:The Highly Sensitive Person

外向的になる理由も様々です。
先にも述べましたが、

・大家族で育った
・所属しているコミュニティの環境
・人と接しなければならない環境で育った

などの理由があります。

私自身もHSS型HSEですが、私の場合は
・大家族で育った
・シャイな自分を変えようと訓練した
という2つの理由で外向的な性質を獲得しました。

とはいえ、本当はだんなさんと2人で、のんびり過ごすことが一番好きです。

【外向的なHSS型HSPさん】と【外向的なHSS型 非HSPさん】の違い

似ているようで大きな違いがあります。

【外向的なHSS型 非HSPさん】はHSPさんではない、という点が大きく違います。
先ほど述べた4つの特徴D.O.E.S.と差次感受性が全てそろっていることがHSPさんの特徴なのです。

【外向的なHSS型 非HSP】さんは、
敏感ではない、ということですから、人と話すのが好きで、話していれば疲れませんし、むしろ、話すことでエネルギーが得られるという点があります。
また、刺激的なことが大好きで、アクティブに新しいことにチャレンジしていることでますます元気になります。

【外向的なHSS型HSPさん】も人と話すことでエネルギーを得ることができますが、時間が長かったり、話し相手が怒り出したりすると敏感に反応し疲れてしまいます。
話すことが好きでも、「自分のペースを守る」ことが優先されます。
また、新しいことにチャレンジしても休息が十分でないと疲れてしまい、モチベーションが保てなくなります。

一見すると社交的で活動的なので「本当にHSP?」と周りからは思われやすく、自分の相反する部分に悩む人も多いです。

【外向的なHSS型HSPさん】の恋愛の傾向と悩み

【外向的なHSP型HSPさん】の恋愛はチャンスが多いです。
外向的というのは恋愛において、大きな強みになります。
自分から話しかけることに抵抗は少なく、また、相手からも話しかけやすい雰囲気を持っています。

しかしながら、付き合うチャンスは多いのですが、繊細がゆえに付き合い方のバランスが難しく、ストレスを感じることが多いでしょう。
長時間のデートは疲れを感じるかもしれません。
「朝になり、彼が自分の部屋から帰った時にホッとするのは変でしょうか?」というお悩みもよく聞きます。
特に相手から束縛されると、とてもストレスを感じます。
また、一人で過ごすのが寂しいあまり、それほど好きでもない人と付き合い、後悔してしまうことがあります。

またフレンドリーに相談にのってあげるのはいいのですが、友達のようになってしまい、恋愛対象として見てもらえないことに傷つくこともあります。

社交的でありながら繊細な部分も持ち合わせているため、人付き合いで無理しすぎる状況におちいることもあります。

また、恋愛に刺激を求めるため、「危険な人」「ダメ男」「自分に合わない人」と付き合ったり、「不倫の恋」にハマってしまったりして、恋愛で悩む人も多く見られます。
(悩みの深いところがHSPさんらしい点です)

【外向的なHSPさん】の恋愛対策

社交的な強みを活かしつつ、繊細な部分をしっかり守れる恋愛をすることです。
例えば、付き合い始めた人には自分は「こういうことが好きで、こういうことが苦手なの」とはっきり伝えてみましょう。

相手に合わせすぎないよう、付き合う上で自分の心地よいペースや限度を見つけてください。
自分のペースや限度を過ぎると「疲れすぎて本来の自分でいられなくなる」ということを相手に少しずつ伝えてみてください。

また、「恋愛対象として見られない」という悩みがある人には、さりげないスキンシップや言葉で「恋愛対象」として意識されるようにしてみましょう。

そして、刺激を求める恋愛は時には経験として良いのですが、自分を見失わないように友達や信頼できる人にマメに相談しましょう。
一人で抱え込まないようにすることで、客観的自分を見て、次のステップへ進むことができます。

パートナーがいる場合はパートナーと共に旅行を楽しんだり、アクティビティを楽しんだり、二人で事業を立ち上げることでよりマンネリを防ぎ、より深い関係を築けます。

以上、【外向的なHSS型HSPさん】についてご紹介させていただきました。
自分を理解する、パートナーを理解する際にぜひご活用ください。

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