③【内向的なHSS型HSP】内省的なのに刺激探求を好む矛盾を持つ

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生きづらさを感じている時、
「自分はHSPなんだ」と理由がわかることで安心できる人はとても多いです。
また、パートナーやお子さんがつらい思いをしている時、「HSPさんだから」とわかることで、相手への理解が生まれます。

今回は、HSPさんについてさらに深い理解ができるよう、HSPさんの4つタイプのうちの1つ、【内向的なHSS型HSP(内省的で刺激探求を好む)】について詳しく解説していきます。
人間関係や毎日の暮らしを心地よく、安心して過ごせるようにお役立てください。

HSPさんには4つのタイプがある

HSPさんは大きく分けて4タイプあることがわかっています。

HSP4type

①内向的なHSP(内省的で、刺激探求を好まない)
②外向的なHSP(社交的だが、刺激探求を好まず、HSEとも呼ばれる)
③内向的なHSS型HSP(内省的だが、刺激探求を好む)
④外向的なHSS型HSP(社交的で、刺激探求を好み、HSS型HSEとも呼ばれる)

まず、前提として、HSPさんとは何か?ということがあります。

https://xn--hsp-ti4bob8h9be8vmbw.com/what-is-hsp/
『HSPとは?』にも書かせていただきましたが、科学的なHSPの特徴をあげると、『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』(エレイン・N・アーロン著 青春出版)によれば、以下の4つの特徴全てがそろっていることです。

4つの特徴D.O.E.S.
・“D” 深く受け止める―Depth of Processing―
・“O” 過剰に刺激を受けやすい―Being Easily Overstimulated―
・“E” 感情反応が強く、共感力が高い―Emotional Reactivity and Empathy―
・“S” ささいな刺激を察知する―Sensitivity to Subtleties―

以上の4つに、2012年より “差次感受性(differential susceptibility)”をアーロン博士は新たに加えています。

“差次感受性(differential susceptibility)”とは
感受性の高い人は、そうでない人に比べて、悪い環境からは、悪い影響をより強く受けるが、逆によい環境からは、よい影響をより強く受ける、ということ。

出典:エレイン・N・アーロン著『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』(青春出版)

先ほどの5つの特徴を持っていることがHSPさんのベースですが、さらに、以下の2つのフィルターを重ねることで4つに分類できます。

フィルター1:刺激探求型か、非刺激探求型か ※1
フィルター2:外向的か、内向的か ※2

刺激探求型で、内向的な場合は【内向的なHSS型HSPさん】となります。

※1 心理学者のマービン・ズッカーマンのHSS(High Sensation Seekers)という概念で、エレイン・N・アーロン著『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』(青春出版)にもHSSについて書かれています。

※2 エレイン・アーロン博士は内向的であるということと感受性の敏感さは別の事であると “The Power of (Shyness)” and High Sensitivity で述べています。(Psychology Today  2012)

【HSS】とは?

HSSとはなんでしょうか?
HSSとはHigh-Sensation Seekersの略語で、刺激探求、刺激追求を好む人のことをいいます。
たとえば、刺激や変化をエネルギー源にするため、新しいこと、やってみたいことに対しリスクを恐れずどんどんトライする人たちのことを言います。
これは生まれつきの性質で遺伝によるものだそうです。
以下はアーロン博士の著書の抜粋です。

「このもう一つの気質の第一人者であるマービン・ズッカーマンは、それを刺激探求(High Sensation Seeking)と呼びました。ズッカーマンによると、ひといちばい刺激を探求する人たち(HSS:High-sensation seekers)は、変化に富んだ、新しく複雑で、「強い」刺激と経験を探し求めていて、そのためには、身体的、社会的、法的、経済的なリスクを選ぼうとするのです。遺伝子の研究から、この気質は遺伝的に決まることが分かりました。背の高さが、遺伝子で決まるのと同じくらいです。HSSに育つ赤ちゃんは活発に動き回ることからも、遺伝子による身体的な違いは、生まれて数日で見られるようになります。」

出典:エレイン・N・アーロン著『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』青春出版 P.61

【内向的なHSS型HSPさん】

HSSさんのことはわかりました。
では【内向的なHSS型HSPさん】とはどんな人なのでしょうか?

かんたんに説明すると、HSPとして「とても繊細」な性質をベースに持ちつつ、「新しいことにチャレンジ」「リスクを恐れない」「刺激のある生活が好む」という性質もあわせ持ち、かつ、あまり社交的に振る舞うのが好きではない内向的な人のことを言います。

HSPさんの中では少数派です。
そして、HSPとHSSの両方があることでの理解の難しさがあります。

「HSSであることで、退屈しやすく、そのため新しいことにどんどんトライしようとリスクを選ぶ様子は、ひといちばい敏感な人とは正反対にしか見えないでしょう。しかし、実はちっともそんなことはありません。この2つの気質は完全に独立した別のものです。」

出典:エレイン・N・アーロン著『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』エレイン・N・アーロン著 青春出版 P.61

HSPとHSSの性質は遺伝によるものですが、それに対し、「内向的」な性質というのは、その人の成長する過程で育ててきた性質です。
そこをまず知ってください。

「この特性(内向性)は新しい発見ではありませんが、誤解されています。 HSP は、新しい状況に入る前に観察することを好むため、「恥ずかしがり屋」と呼ばれることがよくあります。しかし、恥ずかしがり屋は先天的なものではなく、学習されたものです。実際、HSP の 30% は外向的ですが、この特性(HSP)はしばしば内向的と誤解されています。
(原文)
This trait is not a new discovery, but it has been misunderstood. Because HSPs prefer to look before entering new situations, they are often called “shy.” But shyness is learned, not innate. In fact, 30% of HSPs are extroverts, although the trait is often mislabeled as introversion. 」

出展:The Highly Sensitive Person

「先天的なものではなく、学習されたものです」という点では、思い当たる方も多いのではないでしょうか?

とても敏感であるからこそ、刺激を避けるために、「1人で過ごすのを好む」「外出するより自宅で過ごす」「社交的な場は苦手」という経験を積んだ結果、【内向的なHSPさん】が出来上がっていくわけです。
さらにここで、「刺激探求を好む」性質が入ってきます。
それゆえに、刺激探求型(刺激追求型)HSPさんと呼ばれます。
または、HSS(High-sensation seekers)型HSPさんとも呼ばれます。

アーロン博士は外向性、内向性は学習により獲得したもので、HSS型HSPさんは遺伝によるものだと述べています。

「外向性の背後にある遺伝的変異は、おそらく社会的行動を支配しているのではなく、やりがいのある経験を求めて新しい刺激を求める一般的な傾向であり、人々は報酬の最高の供給源の一つなのです。したがって、この特性は、しばしば刺激探求(追求)型と呼ばれます。刺激探求(追求)型ととても敏感であるということは、観察可能な行動というよりも、進化と遺伝学に基づいた新世代の特性用語です。
(原文)
The genetic variations behind extraversion probably do not govern social behavior so much as the general tendency to seek new stimulation in search of rewarding experiences, people being one of the best sources of rewards. Hence this trait is often called high sensation seeking. High sensation seeking and high sensitivity are a new generation of trait terms, based less on observable behaviors and more on evolution and genetics.」

出典:psychologytoday『Understanding the Highly Sensitive Person』
Elaine N. Aron Ph.D.
Posted July 21, 2011

「とても敏感であることと刺激探求型(刺激追求型)であることの両方につながる遺伝的変異を受け継ぐことができます。これは、社交的に育てられる以外に、とても敏感であることと外向性の両方になることができる別の方法かもしれませんが、この場合は、刺激探求型(刺激追求型)のHSPと呼ぶ方がより正確かもしれません。この組み合わせは、ある人の言葉を借りれば、”片足でアクセルを踏み、もう片足でブレーキを踏んで運転しているようなもの “なのだそうです。
(原文)You can inherit the genetic variations that lead both to being highly sensitive and a high sensation seeker, so this may be another way, besides being raised to be social, that you can be both highly sensitive and extraverted, but it may be more accurate in this case to call it highly sensitive and high sensation seeking. This combo, as one person put it, “is like driving with one foot on the gas, the other on the brake.” 」

出典:psychologytoday『Understanding the Highly Sensitive Person』
Elaine N. Aron Ph.D.
Posted July 21, 2011

「内向的」ってどういうこと?

内向的とはどういったことを言うのでしょうか?

「興味や関心が自分の内部にばかり向かうさま」

(出展:デジダル大辞泉 小学館)

一般的なイメージをいうならば、1人で静かに過ごしたり、社会より家族、他人より自分、外面より内面、といった内向きにエネルギーを注いだりする傾向の多い人のことさしています。

「外向性と内向性(がいこうせいとないこうせい)は、性格の理論(人格心理学)における主要な特性の軸である。外向性 (extraversion) と内向性 (introversion) という用語は心理学者のカール・グスタフ・ユングによって大衆化され、それらに対するより世間一般的な理解と心理学的な用法は、彼独自の意図によって異なってくる。外向性は、社交的、話好きであり、活発な振る舞いをする傾向がある一方、内向性は、孤独な振る舞いをし、外向性と比較してもっと控えめな傾向がある。」

(出典:ウィキペディア)

【内向的なHSS型HSPさん】の恋愛の傾向と悩み

誰かを好きになるエネルギーは多く、やや惚れっぽいところがあります。
「この言葉にキュンときた」
「とても面白そうな人で気になる」
など、内面が出る行動や言葉にときめきます。
映画やドラマなどの登場人物にも恋してしまうようなところがあります。

しかし、シャイで奥手なため、自分から積極的に出られないことが多く、機会を逃してしまいがちです。

惚れっぽいのに自分から行けないジレンマがあります。
また、付き合い始めても次第にマンネリを感じてしまいやすく、長続きしないことも多いです。

また、刺激的な恋愛に弱いため、危険な男性や、既婚者から声をかけられても断れず、悩んでしまう人も多いです。

【内向的なHSS型HSPさん】の恋愛対策

あなたから声をかけるのは難しくても、気づいてもらえるように、声をかけてもらえるようにすることならできます。
気になる人の近くに行き、得意の気を利かせた行動をすることです。
職場や趣味のサークル内の人であれば、近くにいけますよね?
例えば相手が「ホチキスを探してるな…」と気づいたら、笑顔で「どうぞ」と渡してみる。
たくさん話はできないけれど、とびきりの笑顔で挨拶してみる。
相手の視界にちょこちょこ入る。
ストーカーと思われないよう注意が必要ですが(笑)、相手の目にとまることは大切です。

このような、派手ではないけど小さな好意の積み重ねでアピールしてみましょう。
「自分の本心が知れたら恥ずかしい」という気持ちと戦わなくてはいけませんが、未来のパートナーシップのために頑張りましょうね。

刺激的な恋愛も経験として時にはいいのですが、悩みが深くなる前に卒業した方が賢明です。
HSPさんにはストレスが強すぎますので。

また、パートナーがいる方であれば、精神面、内面を話題にしていくことで相手との関係が深まり、マンネリを避けられます。

以上、【内向的なHSS型HSPさん】についてご紹介させていただきました。
自分を理解する、パートナーを理解する際にぜひご活用ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
HSPさんを応援しています。

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