【保存版】HSPさんの田舎暮らし6つのデメリットと5つのメリット、そして田舎移住のスペシャルステップ

country life
  • 「人混みから離れ、自然にあふれた田舎でいつかは暮らしたい」
    そんな夢をお持ちの方もいらっしゃると思います。

わたしの旦那さんもある時期から「いつかは農ある暮らしをしたい」と思っていたそうです。

わたし自身は千葉県南房総のド田舎で生まれ、都会に憧れて上京したぐらいですから、田舎に住みたいと思ったことはありません。

ですが、新型コロナがきっかけとなり、人との距離感や働き方が変わっていくなどのこともあり、だんなさんの希望である田舎に引っ越しました。

HSPさん(Highly Sensitive Person 繊細さん 敏感さん)のわたしにとって、引越し自体がかなりの刺激でした。
それ以上に「田舎で暮らす」こともかなりの刺激であることを実感しています。

「いつかは田舎暮らししてみたい」と考えていらっしゃるHSPさんに向けて、HSPさんにとっての田舎暮らしのメリット・デメリット、そして田舎移住のスペシャルステップについてまとめました。

HSPさんにとっての田舎暮らしデメリット

まずわたしの場合、引っ越しが決まってからは、デメリットが何より先に気になりました。

・住まい探しに困る
・仕事が少ない
・近所の人との距離感が難しい
・お店や施設が少ない
・庭の手入れが大変
・虫が多い

住まい探しに困る

都会では不動産屋さんに行けば「希望条件にどのくらい妥協するか」により、住めるところはたくさんあります。
ですが、田舎には、住めるところがあまりありません。
不動産屋さんに出ている物件はほんのわずか。

「小さな平屋の一軒家」
「小さな庭もあり家庭菜園もできる」
「家はすぐ住める状態」
「値段が安い」
「借家がいい」

これらを総合した家は探し始めた当初はありませんでした。
知り合いに紹介を頼み、何ヶ月もたち、やっといくつか見に行くことができました。
見せていただいた家も、すぐ住めるものばかりではなく、以前の住人の荷物がそのままだったり、持ち主がすぐにはわからないような家もありました。

田舎は人口減少が激しく、空き家自体はたくさんあります。
「空き家があるならそこに住めばいいじゃない?」と思われるかもしれませんが、建築屋さんによると、家を空き家にしてしまうと、湿気などで荒れてしまい、1年でダメになってしまうそうです。
また相続した人も、売るならいいけど貸すのはめんどくさい(家が古くてどんなトラブルが起きるか予想がつかない)ということが多くて、田舎で貸家はほとんど出物がありません。
でもこちらも、住んでみないとどんなトラブルが起きるのか、ご近所はどんな様子なのかわからないままでは、とても怖くて買うことはできないのです。

うまく貸家が見つかっても、住もうとなったら大がかりなリフォームや修繕が必要になります。
ですから「 DIY大好き」な人でないと実際のところ、新築で建てるか、マンション、アパートの方が良いでしょう。
また、不動産屋さんが管理で入っているところは、手入れは少々されていますが、そのぶん家賃や家の価格が高くなり、「家賃を下げるために田舎に来た」という人にはその目的が十分にかなえられない場合も出て来ます。

わが家は昨年の秋に空き家になった物件を、知人の紹介でタイミングよく借りることができました。
ですが、築50年、前にお住いの方はあまりお掃除がお好きではなかったようで、引越し前に都心からなんども掃除のために通いました。

当時住んでいた家は出る日時が決まっていたため、「もうここに住むしかない」という状況でした。

HSPさんにはきれい好きの方が多いと思います。
わたし自身「もともと汚い家を掃除するのはツライな」と内心思いましたが住むところがないので仕方ありません。
しかし、だんなさんの協力のもと、家は着々とキレイになり、今ではかなり快適になりました。

仕事が少ない

HSPのわたしは心配性な面があります。
そのため、「もしお金が足りなくなった場合、アルバイトなど含め、どんな仕事があるか」という点もついつい調べてしまいます。
市街地まで出れば仕事はいくつかありますが、家の近くで探すとなると、本当に少ないため、知人のつてで仕事(アルバイトなど)を紹介してもらう方も多いです。
また、田舎には介護施設が多いため、介護施設関係の仕事が圧倒的に多い印象です。
アルバイトやパートはまだある方で、正社員などはかなり限られています。
仕事は少なく、あまり選べるものではありません。

近所の人との距離感がHSPには難しい

都会に住んでいれば近所付き合いは皆無でした。
マンションの入り口やエレベーターで会えば挨拶くらいはしますが、誰にも会わないことの方が多いです。
HSPさんにとって、余計な気を使わなくて良いので、これはけっこうありがたいですね。

しかし田舎では地域の「自治会」に入ることが普通です。
自治会では「地域の掃除活動」や「回覧板」があります。
慣れれば特にイヤではありません。
真面目にたんたんとこなすだけです。
みなさん純朴ないい方たちなので気持ちよく活動させてもらえています。

ただしそれは、いっしょうけんめい土地に溶け込もうとした人に限るかもしれません。「郷に入らば郷に従え」を肝に銘じておかないと、ここではありませんが、他所者への村八分やセクハラやイジメのある田舎もあるそうです。

それよりも気になるのは、住人が少なすぎるため、一人一人の行動が目立つのがイヤなのです。
田舎では「近所の目」を気にする意識が都会より強いため、その同調圧力的なものをHSPさんは察知してしまいます。
都会では人が多いため、あまり目立ちません。
ですが田舎のように人が少ないと目立ちます。
「気にしなければいい」と思いたいのですが、思えないのがHSPさん。
できるだけ目立たないようにしています。

また、特定の近所の人と仲良くなると、畑でとれた野菜をいただくこともありますが、「お礼をしなくちゃ」と気を使うことも増えます。
ご近所さんとの距離感に悩んでしまうことがあります。

病院、お店や施設が少ない

スーパーやコンビニへ行くのには車が必ず必要です。
田舎では自転車をほとんど見かけません。
都市部ではよく見かけるお子さんを乗せて走るママチャリも皆無です。
基本、車社会です。
「しょう油を切らしちゃったから、ちょっとコンビニまで行ってしょう油を買ってくる」というラフなこともできません。
買い物に出る際は、あらかじめメモを用意し、買い忘れのないようにしないといけません。
そして、店も少ないため、たくさんの種類の中から商品を選ぶこともできません。
「これ!」という欲しいものが決まっているならば、ネットで買うのが確実です。
田舎に来てからはネットでの買い物が増えました。
「お店が少なくて不便」というのはHSPさんに限った話ではありませんが、買い物にこだわりがあるHSPさんならお店が少ないのは残念でしょう。

また、病院も少ないため、病院探しに苦労します。持病がある場合は通いたい病院をあらかじめ見つけておき、その近くに住むのが安心です。

庭の手入れが大変

春から夏にかけて、庭の草や枝がどんどん伸びてきます。
木の枝もあっという間に新芽が出てどんどん広がっていきます。
草がぼうぼうに伸びてくると気になってしまいます。
草取りを終えても、5月〜8月などは恐ろしいくらい草が成長します。
そして、種類の違う季節に合わせた草が次々と生えてきます。
先月とは違う草が生えているとびっくりさせられます。
どんどん生えてくる植物の力にHSPさんは圧倒され、田舎の生活に不安を感じるかもしれません。
わが家はまだ太陽の低い朝食前に草取りを15分ほどルーティーンとして行なうことで、大変な作業もなんとなか乗り越えることができています。

虫と動物が多い

家の外に飛んでいるのはもちろん、網戸をすり抜けて小さい虫が入ってきます。
HSPさんはきれい好きが多いですから、朝起きて床に転がっている小さな虫の死骸の多さに「ひえー!」と叫ぶかもしれません。

わたしは虫と徹底的に戦うことにし、網戸を新しく入れ、家の手入れや虫除け、殺虫剤を駆使することで、虫の攻撃もだいぶやわらいできました。
オーガニック系の虫除けを以前は使っていましたが、田舎ではそういう甘いものでは足りません!
お気に入りは「アース渦巻香プロプレミアム蚊取り線香」「アースノーマーット電池式」「フマキラーどこでもベープ携帯虫除け」です。
G対策もがっちり行なっていますので、なんとか耐えられる範囲で過ごしています。

となりの空き家の窓にアシナガバチが巣を作り、我が家まで侵入してきたので、「アース製薬ハチアブスーパージェット」で退治しました。こんなのは日常茶飯事です。どれか1匹が女王バチですね。アシナガバチやスズメバチはかわいらしいミツバチの巣を襲い、全滅させてしまうそうです。周りの虫たちも乱暴者がいなくなって喜んでくれていることでしょう。

それとやっぱりサル、イノシシ、鹿、キョンなどの動物がとにかく多いです。家庭菜園をやっても、収穫直前にサルが何十頭も山から下りてきて、いっきにすべて食べつくされるななんてこともザラです。数千ボルトの電柵でがちがちにガードするのは素人にはちょっとハードル高いかも。我が家ではサルの食べないニンニクくらいしか家庭菜園では作っていません。ふつうの野菜はプロ農家のご近所からありがたくおすそ分けいただいてます。

⬇️ 閲覧注意!!

hive
dead bees

HSPさんにとっての田舎暮らしメリット

デメリットでたくさん脅かしてしまいましたが、悪いことばかりではありません。
ちゃんといいこともあります。

・家賃が安い
・季節をむちゃくちゃ感じることができる
・自然の強力な浄化を日々受けられる
・たくましくならざるを得ない
・選択肢が少ないので迷わない

家賃が安い

家賃が安いというのは生活のコストを抑える上でとても魅力的です。
わたしの周囲では庭付きで家賃月1万や3万という人もいます。
(ただし、古いボロ家ではあります)
このご時世、今までの暮らし方を変え、変化していける人が生き残るなどといいますが、そういう点で田舎に住むのはアリかもしれません。
ガツガツ働くより、生活費を抑えてマイペースで働くのを好むHSPさんには嬉しい点です。
(ただ、貸家がものすごく少ないし、最初は安く借りられたとしても、そのうち家を買い取ってとお願いされることは覚悟したほうがいいです)

季節を感じることができる

周囲は山や畑に囲まれているため、季節の変化を感じます。
春は梅と桜、夏はホタル、秋は紅葉、冬は星空です。
虫の鳴き声や、季節によって移り変わる陽の傾き加減、風のにおい。
敏感なHSPさんならよりいっそう、想像力の扉が開かれることでしょう。

自然に癒される

田舎の星空は素晴らしいです。
流れ星も庭からたくさん見ることができます。
また、夏の夜は気温が下がるため、涼しさを感じて快適ですし、何よりホタルの乱舞は絶景です。
また、朝は窓からもやのかかった山の景色を眺めているとファンタジーの世界にいるようです。
海の近くにお住まいなら、波を見ているだけでもきっと癒されることでしょう。

夜空についての補足です。我が家は奥房総、房総半島のど真ん中あたりなんですが、西は東京、北は千葉市なので、その方角は空が明るくて星が見えません。東と南の夜空はきれいです。東西南北、全方角の星が見えるには、都会からおもいっきり離れていないとならないんだということを、住んでみてはじめて知りました。

たくましくならざるを得ない

田舎に住んだら車の運転は必須です。
運転ができるだけでたくましさはアップします。
また、今年は軒下に2度スズメバチが巣を作りました。
巣はまだ小さかったので、スプレーを購入し自ら駆除しました。
シンクの排水管や家のドアの補修もしましたし、庭の土が雨で流れ出てしまったところの補修もしました。
庭木をチェーンソーやのこぎりで切り、草刈機を扱うのも当たり前になっています。
それを望む、望まないにかかわらず、日々たくましくなっています。

選択肢が少ないので迷わない

お店も娯楽も何もかも少ないのは悪いことばかりではありません。
ウィンドーショッピングをする店もないですから、お金を使う機会が減りました。
大手銀行も近くにないので、引越し前に口座をいくつか解約し、あちこちの銀行から
振り込んだり、引き出したりという作業がなくなりました。
あれもこれもとできないので、迷いもなく、生活がシンプルに楽になりました。
これはHSPさんにとってもいいことなのではないでしょうか。

田舎暮らしを検討されているHSPさんに向けてメリット・デメリットをご紹介いたしました。

無理せずにじょじょに慣れれば田舎暮らしはいい!
というところです。
HSPさんは気を使いすぎて疲れてしまうと自滅します。
ですからご近所との付き合いも、「無理していい人になろうとしないこと」がポイントだと思います。

住み始めはご近所のことやゴミ出しのことも右も左もわからない状態ですが、マイペースでじっくり慣れることが田舎暮らしの成功のポイントだと思います。

HSPさんに田舎移住を勧められない場合

マイペースでじっくり慣れることが成功の秘訣という点から考えると

・すごい山奥だ
・家の敷地が広大だ
・免許がない(車もない)
・知り合いが全くいない
・収入のあてがない

以上の場合、HSPさんでしたら田舎移住はしない方がいいです。
チャレンジャーでタフな人なら問題ないかもしれませんが、HSPさんは引っ越してからの生活の変化が激しすぎると、心と体を壊しかねません。
知り合いを作り、免許を取ったり、適度な広さの家を探したりと、マイペースで 1〜2年くらいかけて準備し、じっくり環境に慣れることで田舎暮らしは可能になります。

【田舎移住のスペシャルステップ】

それでも田舎暮らしをしたいときは、家を借りて、1年間、街と田舎の2拠点生活をオススメします。街の仕事と家をキープしながら、週末だけ自然多い田舎で過ごすのです。

すると、最初は心がリラックスした自然も見飽きて旅行やキャンプで気がすむと気づくかもしれません。

買物の面倒臭さや、ご近所と仲良くなれないかもしれません。(かなりコミュ力がいります)

現地でつけそうな仕事が無いことに気づくかもしれません。

虫のすごさや冬の寒さに家族がついてこれないかもしれません。
(言い忘れました。田舎の古民家は、冬は半端なく寒いです)

地震や台風、水害という自然災害のこともあります。土地によっては、かなり危険な地域というものがあります。我が家は、すぐ隣までが山崩れ危険地域に指定されていましたが、そんなことは、住んでみるまでまったく気づかないものです。

休みの日の都会から大挙押し寄せるバイク集団の爆音も、住んでみないと気づきません。

土地の顔役やリーダーの性格も、長く付き合ってみないとわかりません。あいさつ程度では何もわかりません。

こちらへ来てとまどったのは、お葬式です。ここではどなたかが亡くなるとその班の全員がお葬式に出なくてはなりません。香典は5千円から1万円と言われています。豪華なお返しのお菓子をいただけますが、ほとんど知らない方の葬式に出ることが分かりません。お住いの方々は何十年もお互いに葬式に出ていますのでできたしきたりなのです。

そういうことよりも、スピリチュアルを掲げて、亡くなることは遺族にはさみしいけれどご本人にはお祝いを言いたい我が家には、あの儀式の1時間が耐えられません。宗教上のことで葬式はご辞退しますと次からはお断りするつもりですが、それでどういう反応がされるのかはまだ分かりません。

1年というのは、このように、春夏秋冬のすべてを体感してみないと、ほんとうのところがわからないためです。
1年暮らして、「大丈夫、ここがいい」と思えたら、その貸家を続けるなり、その家を買うなり、別に探せば、田舎移住にまず失敗はありません。

この提案にはいくつか難点があります。

(難点その1)田舎には条件のいい貸家があまりない。売り家は腐るほどある(文字通りの意味です。人が住まないと古家はすごい勢いで腐っていきます。特に水回りからダメになっていきます。田舎に出かけると空き家がいっぱいあってもったいない気がするかもしれませんが、ほとんどが水回りがボロボロで、そのままでは住めないんです。)

我が家の周りの3軒に1軒は持ち主の方のお亡くなりになった空き家ですが、貸家はありません。相続人にとって、他人に貸すと管理がめんどくさいからです。また、知らない人に貸して何かトラブルになるという心配もあります。借りた人が近所付き合いをちゃんとしない人だと、周囲の家から「なんであんな奴に貸したんだ」と大家が苦情を持ち込まれるという心配もあります。

条件がいいというのは、家賃のこともありますが、近所との距離が適度にあいているかどうか、日当たりはどうか、山に近すぎて獣害がないかなどです。田舎って、けっこうお隣との距離が近い地域が多いんです。集落というのは、家が寄り集まってるんですね。北の国からの五郎さんの家みたいな、広野にぽつんと1軒というのはまずありません。幸い我が家はご近所と適度に離れているのでよかったんですが、周りの家をみると、窓の近接した家とか多いです。やっぱりお風呂の窓は全開にして入りたいぞという方はお気をつけください。

(難点その2)2拠点生活はお金がそうとうかかる。田舎の家の家賃、往復の車両費、交通費、家具、街に戻る引っ越し代などなど。

都会だと、仕事はいくらでもありそうですが、田舎では、そうはいきません。数百万円程度の資金の余裕をもっておかないと、危険です。HSPさんには特にこの点をよくお考えください。日々のお金の心配があると、なんのための田舎移住かわからなくなります。

参考にしていただければ幸いです。

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